田畑礼子
国際ボランティア
高校生の時、タイのスタディーツアーに参加。国際協力の現場を見る。現在は大学のボランティアセンターにて学生の活動サポートをしている。

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世界で、地域で、今起こっている問題をちゃんと知りたくて。

「国際協力の現場を見てみたい」そう思い立ち、タイのスタディーツアーに参加した高校生の時のこと、人生を変える大きな衝撃を受けました。今にも壊れそうな家があるスラムが、きらびやかな王宮の隣にある現実。お金がないから小さな電気をみんなで使ったり、麻薬やばくちにはまっている人たちがいる横に、豪華絢爛な貴族が生活している・・・。貧富の差を肌で感じました。この時私は、いつか国際関係の仕事につくために大学で勉強したいと心から思い、その後の高校生活、思いっきり勉強をして大学に入学しました。大学生になり分かったのは、タイだけではなく自分が住んでいる地域にも様々な問題があるということです。私はこの事実を周りの人にも知ってほしいと思いいろんな活動をしているのですが、最近の私が何よりも大切だと思っているのは、家族や友達を大切にすること。まずはそれを私から、あらためてはじめていきたい。それが世界平和のはじめの一歩なのかもしれません。

◆ボランティアを始めたのはなぜ?
もともと大学に入ろうと思ったきっかけが、マジメな理由で。高校生の時に行ったタイのスタディーツアーですごく考えさせられて。自分もそういう分野に関われていけたら、という気持ちでいました。だから、自分の中ではボランティア=勉強、という意味合いが強いと思います。国際協力が勉強できて、さらに就職などの面倒見が良い、という理由で女子大。その二つの基準で大学も選んだので、今から振り返れば、現在ボランティアセンターで活動しているのも自然な流れだったと思います。

◆タイのスタディーツアーへはなぜ参加したのですか?
高校生の時、父親に“千代田区でこういうの募集しているけど、行ってみたらどうか?”と、言われて。それが、「国際協力の現場を見に行こう」という企画だったんです。で、なぜ行きたいか?行って何をしたいか?というテーマで800字作文を書きました。私はタイという国、また国際協力のボランティアというものを知らないので、行ってみて何かを感じ取ってきたい、ということを書き、行く事が決まりました。

◆ツアーではどんな事をするのですか?
タイへ行く前には、一緒に行く学生たちと一緒にタイ語の勉強をしたり、現地の文化を週に一回講師の方から学ぶ、ということをしました。実際にタイに行ってからは、最初は凄くきらびやかな王宮とか、おいしいものを食べたりしました。その後、現地の活動を見たんですけど・・・。スラムっていう、物乞いをする人達やゴミの山がある地域が、そのきらびやかな世界のすぐ隣にあるんです。そこにいる人達は、例えば電気を違法でみんなで共同で使っていたり、麻薬や博打にはまってしまっている人たちを見て・・・。あと、おんぼろな家が立ち並ぶ中で一軒だけキレイなお店があって。後から聞いてみたら、あれは水商売をする人のための美容院だということを聞いて。しかも、それにお金を出しているのは、先進国。日本も含めて。それで、その職業に就いている人たちが生んだ子供たちもスラムにはたくさんいて・・・。

◆ツアーで感じた事はありますか?
そういう情景を見たときに、自分の中で当たり前だった日本での生活が、すごく恵まれているんだ、ということを知らなかったということに、自分なりにショックだったんです。しかも、その加害者になっているのが日本人でもある、と。だから、貧富の差と人権の問題について、もっと勉強して自分なりに解決する方向で力になれたら、と思うようになったんです。それまでは勉強をさぼりがちだったんですけど、目標ができて勉強をするようになりましたね。

◆大学のボランティア団体との出会いは?
やっぱり大学受験が終わったら、一度そういう気持ちを忘れてしまっていて笑。最初は普通のサークルを見て周っていたんです。けれどもどこもあんまりしっくりこなくて。“あ、自分は貧困問題とか、そういう勉強がしたくて大学に入ったんだった”って、思い出したんです。一人で行くのはちょっと恥ずかしかったんですけど、思い切って行ってみたんです。そこで、自分の気持ちを伝えたら、そこのスタッフの人たちが「いいわね」と言ってくれて。その日の夜にボランティア団体のミーティングがあったんですけど、それに誘われ、ヒマだったので笑、ちょっと顔を出してみたんです。そこで出会った先輩たちの、“みんなで新しい何かを作りあげよう”という雰囲気に凄く共感して。会議中に「いきなりボランティアを勧誘するよりも、教室を借りて事前学集会を開いてみてはどうでしょうか?」という自分のアイディアをそこで出してみたら、“ぜひ一緒に活動して欲しい”と言われて。トントンと、決まりましたね。素敵な先輩と、凄くやる気のある同期の人がいたので、ここなら自分も頑張れるな、と思って決めました。

◆選択肢に迷った時に、最終的には自分で決める、ということが大事ですね。
面倒なこととか、壁にぶつかった時にもやり続けるコツみたいなものはあるんですか?私たちの活動は、期間が決まっているプロジェクト単位でのものなので。自分のアイディアとか企画が実際に形になる楽しさを感じることが、自分のモチベーションになっていますね。毎年大学の学園祭で展示をしているんですけど。屋台とか、楽しくやっている隣で“核問題”とか展示をしていてもあんまり多くの人に知ってもらうことができなくて。それで、自分たちも楽しみつつ、人にも楽しんでもらえる展示をしようと思って、カフェを開くことにしたんです。飲食も取り入れて、展示もしようと。先輩がテーマを考えて難民になって。実際にやってみて嬉しかったのは、あいのりに出てた人が来てくれたりとか。あとは、“この問題知らなかったよ。教えてくれてありがとう”と言ってくれる人が来てくれたりとか、自分の友達が見に来てくれたりとか。そうして、自分の興味のある分野、勉強している分野に多くの人が興味を持って注目してくれる。そんな活動ができることが、凄く楽しいことだなぁ、と思いました。

◆ボランティアをしていく上で、モットーにしている言葉とかはありますか?
まず、自分が楽しむことですね。自分が楽しくないと、人も楽しくないので。あと最近意識しているのは、「for others with others」という団体の理念で。ボランティアだからって、自分が上に立って何かをしてあげるというのではなく、同じ人間なんだから、同じ立場で。やっぱり人と一緒に何かをする、というのがすごく楽しいことなんじゃないかな、と思います。

◆高校生へのメッセージをお願いします。
やりたいことが見つからない、という気持ちは分かります、すごく。でも、ちょっとでも興味あったことに自分で調べてみるとか、飛び込んでみるとかして、実際にやってみて自分に合うか合わないかを見てみて欲しい。かなり勇気がいることだけれども、ダメならダメで取り返しはつくから。やってみると、逆に自分が見えてくることもあります。自分の好きなこととか、得意なこととかで人に役立てるものは絶対あるから。それでも思いつかない人は、まず自分の身近にいる人を大事にすることから始めてみてください。