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高橋愛弓 –Ayumi Takahashi 17歳
都立高校3年生
障害のある人への水泳指導
水泳部に所属。障害のある人を対象とした水泳指導ボランティアに参加。

「楽しむ」っていう気持ちはみんな同じ♪

「何を話せばいいのかなぁ・・・」。私と組んだ中学2年生の男の子はとてもおとなしかった。障害のある人への水泳補助のボランティアはこれで2回目。去年とっても楽しかったから、今年もボランティアが待ち遠しかったのにこの日対応した男の子は全然笑ってくれない。どう接していいのかわからなかった。とにかく一生懸命コミュニケーションをとろうとしたの。そしたらいつからかわからなかったけど、だんだん笑顔になった。「泳ぐのが楽しいんだな」ってわかって私も自然に笑顔になった。結局言葉は交わさないまま水泳講習は終わったのが、少し心残りだったの。そんな帰り道、ボランティアの人たちから「世の中には、うまく自分の感情を表現できない人もいる」って聞いた。そっか。あの子は顔で気持ちを表現してくれてたんだって思った。男の子の笑顔を見て、私もちょっと変わった気がする。水泳を「楽しむ」っていう原点を思い出すことができた。みんな「水泳を楽しむ」気持ちは同じなんだよね。

◆ボランティアをしたキッカケは?

所属している水泳部のきまりごとかなぁ。私の部活では、年に一度部活の中の志望者が、市民プールへ行ってしょうがいを持った方の水泳補助のボランティアをする伝統があるんですよ。それで行ってみたんです。

◆先輩から強制されてるみたいで嫌だってことはない?

全然なかったですね。ボランティアしてみたいっていう気持ちがもともとあったので、なんの抵抗も無く。1年生のときは「行く人―?」「はーい」ってかんじで行ってきました。

◆実際にやってみて1年目は?

とっても楽しかったです。だから2年目が待ち遠しくて。本当は個人的にもやってみたいと思ったんですけど、機会を探すことができなかったので、部活で行くのがとても楽しみでした。

◆2年目はまた違う感じ?

去年の人とまた会える!とわくわくしていたのに、来てなくて、ちょっとがっかりしました。気を取り直して新しいパートナーと仲良くがんばろう!と思ったんですけど、私と組んだ中学2年生の男の子はとてもおとなしかったんです。最初は笑顔もなくて。何を話せばいいのかさっぱりわからなかったですね。でも、とにかく一生懸命コミュニケーションをとろうとしました。目線をあわせて話しかけたんです。そうしたら、彼もだんだん笑顔になりました。その顔を見たら「泳ぐのが楽しいんだな」っていうのがわかって、私も自然に笑顔になって。

◆言葉は交わせなかったけど、それ以上のものがあった

でも、結局言葉は交わさないまま水泳講習は終わってしまったんです。それが心残りで、「あーぁ」って思ってた。でも私たちが帰ろうとしたときに、ボランティアの人が教えてくれたんです。「人間の中にはうまく自分の感情を表現できない人もいる」って。そっか。あの子は言葉ではなくて、表情で気持ちを表現してくれてたんだってわかりました。すっきりしましたね

◆彼との出会いを一言で言えば

水泳を「楽しむ」っていう原点を思い出すことができたキッカケです。高校の中、部活の中では出会わないような彼と出会って、彼の笑顔を見て私も変わることができたんです。その時期って実はタイムを伸ばすことだけに力が入ってしまっていたんですけど、みんな「水泳を楽しむ」って気持ちは同じなんだ、楽しむってことが大切なんだって気づかせてくれたのが、このボランティアでした。