伊比井優里
高齢者福祉施設の訪問
看護師を目指し勉強する、看護学部大学生。
その傍らでアカペラバンドDemoclats(ゴスペラーズの北山氏のご縁で発足)にて活躍中。

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心で歌う、心があったかくなる歌をあなたに。

看護師を目指して勉強している学生の私には、もうひとつの顔があります。それは、アカペラシンガー。7、8人で組んでストリートで歌ったり、大学で歌ったり、結婚式で歌ったり。遊び以上プロ未満の私たちですが、歌うことに関して大まじめに取り組んでいます。また私たちは、毎年3月に岩手県の陸前高田市に行き、高齢者福祉施設や教会などでコンサートをします。チケットがすぐに完売してしまうほど喜んでもらえてるんですよ。コンサートの直前はバンドで1ヶ月間こもって超特訓、徹夜で練習をしたりもします。バンド内で意見がすれ違い、口論になることもあるけど、待っていてくれる人たちのために真剣に取り組む、それがすごく楽しい。「自分の好き」で人を笑顔にできる。私の場合は歌だったけど、きっとみんなも何かある。みんなが自分なりの形で「誰かのためにできること」を探して実践する。そして、素直に感謝し合う関係がたくさんのところで起きたら、いい社会になりますよね。

◆この活動を始めたキッカケは何だったんですか?
大学で入ったアカペラサークルの先輩に誘ってもらったのがきっかけです。岩手県の陸前高田市に1週間泊まり込んで色々なところで歌うんだよ、と言われました。自然の豊かなところで、色々な人と触れ合ってすごく有意義な活動ができる、という話を聞いて、“行こう”と決めました。

◆練習は大変でしたか?
そうなんですよ。2月一杯、学校に毎日通って練習して、本番に臨みます。でも、実際に行くと本当に多くの人が楽しみに待っていてくれていて。去年今年と2回行ったんですけど、最初の時、「もっと練習しておけば良かった」と思いましたね。だから2回目の練習は本当に頑張りました。
デモクラッツ友の会の方々に、身の回りなどのお世話をしてもらうんですけど、日常の家事で忙しい主婦の方々や、お仕事をしている人は合間などに車を出してもらって、会場まで送ってもらったりまします。大学生で他の人達はアルバイトとか、海外旅行とかいろいろ楽しい選択肢が沢山あるけど、これだけ沢山の人たちと関わりがあるし、歌を聴いてくれた人達も、本当に「来てくれてありがとう」って言ってくれるんですよ。一回でも行ったら、もうあの感動が忘れられないですね。

◆高校生でも、そういう活動はできると思いますか?
できると思いますよ。大学生とか、高校生とか関係ないです。小学校や老人ホーム、ホテルなどに行ったりして歌うんですけど、幅広い年代の人に楽しんでもらうために、色々な曲を練習していくんです。青春アミーゴから、いい日旅立ち、与作などの演歌から、皆が知ってるふるさととか。だからマルチに対応できます。銭湯にタダで入れてもらって、そのお礼に歌ったりとか笑
一番大事なのは、気持ちです。

◆伊比井さんを動かしている情熱はどこからくるのでしょう?
やっぱり講演は体力的にも大変だし、多くの人に満足してもらう分だけ練習も大変です。300人くらいのホテルのホールでの講演のチケットが一週間も二週間も前に予約で完売してしまったりする。そんな風に学生である自分達の歌を期待して待っててくれてる、おいしいお寿司とか沢山用意して笑。その大きな期待に応えるために、こっちも一生懸命がんばる。それをやりきった時の達成感とか、充実感を一度体験してしまったら逆にやめられないですね。

◆“奉仕活動”に対する伊比井さんのイメージは?
自分達の存在を待っててくれて、感謝してくれる。それが素晴らしいところだと思います。陸前高田にあるお寿司屋さんで、マスターの方にハッピーバースデーを歌ってあげたら、泣いて喜んでもらっちゃって。歌うときも、とにかく良い歌を伝えたいということを一番大切にして歌います。相手の心に届く、気持ちが伝わる。そんな暖かい歌を歌うことが凄く、相手にも自分にも幸せに通じている。歌に限らず、そういう体験を多くの人ができたらなぁ、と思います。

◆高校生へのメッセージをお願いします。
なんでもいいから、とりあえず踏み出して欲しい。やってみなきゃわからない。全てが嫌なことってわけじゃないし。1回嫌でも、2回目、3回目に別のことやったら何か他の良いところが見つかるかもしれないし。今の自分の生活は、どこかが誰かが支えてくれているっていうことって、自分が支える経験をしたらより深く感じることができるし、感謝して楽しくもなる。
やりたいことやればいい、なんて言われると困っちゃうけど、友達と一緒にやるとか、なんでもいいから何かに乗っかっちゃうのも大事だと思う。嫌々やってると相手に伝わっちゃって、それはボランティアではありません。だから、自分に合った形で社会に参加していくこと。好きなこと得意なことを活かして、個性を大事にして取り組んでいってください。

◆ちなみに、なぜ“看護”を学ぼうと思ったのですか?
高校のときに、生物の授業で遺伝の法則などを勉強するのがとても楽しかったんです。生物の教科が好きでまた得意だったので、その道で人の役立つことをしようと思いました。知り合いには看護をしている方はいなかったのですが、自分の興味がある分野で進路を選びました。

◆他にも進路選びのポイントはありましたか?
高校生の時にマクドナルドでアルバイトをしていて、接客が楽しかったんです。そこで、対人の仕事に興味を持ちました。高速道路のサービスエリアのマックだったんですけど、渋滞でイライラしているお客様に、いかに笑顔で帰ってもらえるか、というところに興味を覚えたんです。

◆進路を選ぶ際にアドバイスなどはありますか?
まず、迷うことは悪いことじゃないと言いたいですね。私は始め、マクドナルドのアルバイトで接客が楽しかったので「ホテルで働きたい」と先生に伝えたのですが、その時の返事が、「とりあえず大学に行きなさい」でした。その時は「エッ?」と思ったのですが、大学は職業を決めるところではないので、まずは勉強をしてから決めれば良いと考え直しました。

◆大学に進学して良かったと思うことはありますか?
沢山ありますよ。サークルとか仲間の大切さとか。いろいろなことにチャレンジすることができる環境があって、それが許される。社会に出てからはなかなか出会えないチャンスがいっぱいありますね。