狭間真一郎
富士山清掃ボランティア
学生ボランティア企画集団NUTS代表。さまざまな大学の大学生たち集め、富士山の不法投棄や水質汚染の問題に取り組む、総勢50名ほどの学生達を統率する。

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おもしろきこともなき世におもしろく

バイトもサークルも中途半端に、毎日フラフラしてた頃、先輩から旅行サークルに誘われた。「暇だし行ってみるか。」それくらいの気持ちで参加を決めて行って見ると・・。その「旅行」とは「富士山清掃」のボランティア活動だったんだ。「だまされた・・」高校生の時、掃除の時間も、まじめにやらなかった俺が清掃ボランティアか・・。まあ1回きりかなと思ってその日はやることにした。すると・・・『あれ?意外に楽しい!』みんなで「せーの!」って粗大ゴミを持ち上げる、その場所が綺麗になる。ただそれだけの事がこんなに楽しめるんだ!なぜ今こんなに楽しめるのか、理由はわからないがただひとつ、高校生のときの俺に言いたい!ギターも英語も、迷ったけどやらなかったソレを、21歳の俺は後悔している!少しでも何かに興味を持ったら、やらないよりもやってみろ!行かないよりも行ってみろ!!「おもしろきこともなき世におもしろく!」全部自分次第なんだ、ぞ!!

◆はじめに簡単な自己紹介をお願いします。
学生ボランティア集団NUTSという団体の代表をしております、早稲田大学2年の狭間と言います。私たちは、富士山をきれいにするために様々な企画を実行し、富士山が世界に誇れる山に戻れるように、という思いで活動しています。

◆自由な大学生活の中で、なぜボランティア活動をすることにしたのでしょう?
自分も始めはスキーサークルやギターサークル、アルバイトなどをしていたのですが、なんだかんだと理由をつけて、全部中途半端で終わってしまいました。それでぼーっ、とした学生生活を送っていたある日、ある先輩から「凄い楽しい旅行サークルがあるから、お前こないか?」と聞かれて、じゃあ一回行ってみるかぁ。と思っていってみたら凄くそこにいる人たちが楽しくて。
それで、気づいたら“ボランティア団体”でした、と(笑)。居心地が良くてずっといたら、代表になってました(笑)

◆なぜ富士山をきれいにしようと思ったのですか?
富士山って、日本人なら誰でも知っていますよね。新千円札のウラに富士山が印刷されてたり、1富士2鷹3なすびって、初夢に出てきたらその一年良いことが起こるとか、縁起の良いものとも言われています。みんなが大切に思っている富士山なのに、実は不法投棄とか、ゴミのポイ捨てとかですごく汚れているんです。世界的に有名な登山家の野口健さんが、エベレストを登る時に、外国の登山家に「エベレストをMt富士みたいにするのかよ」と嫌みを言われた、という話を聞きました。それだけ、日本人のモラルは低いそうなんです。それを自分達の活動を通して、少しでも良くしていきたい、という想いが僕達にあるので、嫌なことや辛いこともありますが、活動しています。さらにその活動を多くの人に知ってもらって、“捨てない心”みたいなものを日本に広められたらと思いますね。

◆NUTSさんはボランティアを楽しんでやっていますが、そのコツは?
僕の好きな言葉に、「面白きなき世の中を面白しへ」というのがあって。ゴミ拾いも、汚れてもいい格好をしていくと、吹っ切れて逆に楽しめます(笑)。あと、友達や仲間と共同作業をした時はすごい充実感があります。例えば冷蔵庫とか、一人じゃ持てないゴミをみんなやるぞー、おりゃー、ってやって。それを片付けた瞬間とか、初めて会った人達とも心が打ち解けますね。ちょっとした勇者感覚に浸れます(笑)。

◆狭間さんは日本の経済の面からもボランティアを考えているそうですね。
はい。日本に住んでいる自分たちがこれだけ豊かな生活をできるのも、第二次世界大戦後に大きな経済発展があったからですよね。だけど、経済発展ばかり考えて、“環境”の面をおろそかにしてしまったことは否めないと思います。自分の家庭のことを考えても、裕福な家庭ではないけど、貧乏でもない。だから今こうして学校に通わせてもらっているわけで。だから今度は、お世話になった自然に対してちょっと感謝の気持ちを表現するという意味でも、ゴミ拾いとか、ボランティアをすることは大事だと考えています。自然とか動物とかって、“ありがとう”って言えないですからね。こっちから働きかけてあげないと。富士山は日本にあるんだから、自分たちでしっかりときれいにしてあげよう、と。大きく言えば、それが自分の子供たちのためにもなるかな、って考えています。

◆ボランティアに取り組んで何か変わったことはありますか?
コンビニの店員さんに“ありがとう”って言うようになりました(笑)。人に何かしてもらうことに対して、感性が働くようになった気がします。その分だけ、人を大事にするようになりました。

◆辞めようと思ったことはありますか?そして、それでも続けようと思った理由は?
仲間です。続けているのは、周りのやつが本当にいいやつばっかで。話が面白いっていうのもあるんですけど、高校時代と比べて話す相手が広がったのが大きいかもしれないですね。大学には日本中から人が集まっているし、富士山清掃のボランティアをしている方々や、外国から来るひとたち、地元静岡や山梨の人達と関われて、いろいろな人の考えや価値観に触れると、自分の考え方もちょっと変わっていきますよね。それが楽しいんだと思います。あとは、壁にぶつかった時にそれを乗り越えられるようにNUTSではそれぞれが一年の目標を立てています。“大学生活では、これをやってやった”といえるようなことをやりたいんですよね。高校生のときは本当に堕落していて・・・。それがもう嫌だ、って思って今の活動をしているのも大きいですね。

◆高校時代、もっとやっておいた方が良かったと思うことは?
英語です。高校時代は、“日本はなんで太平洋戦争で負けたんだ”とか言ってあんまり勉強していなかったんですけど、「英語は絶対役立ちます」僕が海外に旅行したり、ボランティアの活動の時に外国人と話すとき、身振り手振りになっちゃってますからね。文法とか、単語とか、基礎的なところは絶対役に立つので、高校生のみんなは本当にしっかりと勉強して欲しいと思います。
他の教科も、論理力を鍛えるという意味では、“こんなこと社会では使えないよな〜”と思うことでも絶対にいいトレーニングになると思います。

◆最後に、高校生へのメッセージをお願いします。
一から自分達で考えて、実行していくということを通して、自分たちも社会も成長していけたらいいな、という気持ちで、僕達は活動しています。結構みんなも「あれやりたい、これやりたい」という思いを持っていると思うんだけど、実際にいざそれをやるとなった時に第一歩を踏み出せない人が多いんじゃないかな、と。やりたいと思ったらやってみる。したいと思ったときにしてみる。何かやりたいと思ったときに、それをやってみるっていう第一歩が大事なんじゃないかと思います。